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(2003年03月28日(金) 〜 2002年12月25日(水))

  ひとつの時代、終わる 2003年03月28日(金) 

 丸十三年間つづいた保育園通いが、終わった。
 ほんとうは月曜日まで通えるのだけれど、遊び友だちがみんな今週いっぱいで終わりになるから、自分も今日でおしまいにする、と娘が今朝、急にいいだしたのだ。
 だから、カメラを持っていって、写真撮ろうよ、保育園の、と。
 今日まで朝夕、定時どおりに送り迎えしていたのは三か所めの保育園ということになるのだが、市役所のどうした思惑からか、一番下の娘だけ、市を横切った反対側の保育園に通うことになっていたのだ。おかげで、六年間、何もなければ見ることもなかった町内を通り、買い物をする暮らしがつづいた。
 保育園ともサヨナラだが、いつもまけてもらったその向かいの八百屋さんとも、食料品の買い物をし、娘が毎日100円の菓子を買ったスーパーともお別れ。その果物売り場の上には、もうしばらくの間だけ、娘が描いた絵が張られているはずだ。
 サヨナラといえば、家族の誕生日ケーキを調達したケーキ屋さんのシーズンごとにかわる張り紙とも、そのケーキ屋の前をふらふら歩きまわる薬屋の犬とも、娘が頭をなでた焼き鳥屋の老いたおばあさん黒猫も、信号で車を止めるたびに寝そべっているのが見えた床屋の犬も、クリスマスにはダンシング・サンタクロースが腰を振っていたショーウインドウも、その前を通るたびに、正月の破魔矢、雛人形、五月人形で季節を教えてもらった人形作りおじさん夫婦の店とも。
 同じ市内だからその前を通ることもまたあるだろうが、今日までの「毎日」の風景とは、それは確かに違っているだろう。
 明日からは、生活が変わる。確実に。



  年一度の試練 2003年03月01日(土) 

確定申告を済ましてしまわなくてはならない。
一応ながら自由業者なので、この辺は自己責任である。
今朝から始めて、2時間かけて支払い調書を全部探し出す。学校の先生をしたり、映画祭の舞台に立ったり、おかげ様で今年は枚数だけは多いのである。それにしても、よくまあ全部見つけられたものだと感心する。全部、枕元の紙くずの集積の中から出て来た。
必要経費関係の書類も一揃いあるが、これで全部なのかは今後の探索次第。
ついでになくしたはずの虫眼鏡が出て来る。ヒコーキの写真を眺めるためのものなのだが、なくしたと思ったのでもうひとつ買ってある。新しい方もしばしばどこかへ入り込んで見つけ出せなくなるのだが、今は目の前に二ヶ、揃っている。両目にひとつずつ、立体視できるかどうか試してみる。クラクラする。・・・・こんなことをしている場合ではなかった。



  出来ないこともある 2003年02月12日(水) 

映像祭のコンペティションの審査員なるものを体験してみる。
とにかく、いずれも人の手を心を通過してこの世に出現して来たものには違いなく、それを選別したり、点をつけたりするのには、自分は本当に向いていないことを痛感した。
これはひどい、というものでも、何が作者をしてそれを作らしめたのか、考える方が自分には向いているし、心が豊かになるような気分が味わえるような気がする。

自分がベストと思うアニメーションを20本選んで、点数と順位をつけて、というアンケートをお送りいただいたこともあるが、こういうのも苦手だ。順位はつけようがない。
ということで、採点しなければならない学校の先生も、実は苦手だ。



  特別寄稿 『アリーテ姫・メイキング』のメイキング(下) 2003年01月14日(火) 

”CUT367”のメイキング映像を見ていただければお分かりの通り、キャラクターや花びらは複数のブロックに分けて作画されておりますので、まずはカットではその数ブロックの原画、修正原画を中心に紹介しようと考えました。
 修正原画は、修正された一部しか黄色い用紙に描いておりませんので、それだけを見せても、所謂、作画監督がどのように修正したのかがわかりません。その為、最初に原画を全てデータ化した後に、その上に修正原画をデータ化し、Photoshopというソフトウェアを使い、重なっている部分を消していく作業をはじめました。実はこれが以外に時間がかかりまして、確か2週間位このカットをやっていたような気がいたします。とりあえずなんとか”CUT367”を仕上げて、監督に見ていただきました。

 メイキング映像として見ている人に飽きさせないものを作ろうと思っていましたが、アニメファンである自分が見たいものを作っていたのも確かです。前述しました通り、ちょっと一般の方々より見方が偏っておりますので、「アリーテ姫」に感動した方がこのメイキング映像を見たら、怒り出したりしないだろうかとか、何度か立ち止まった事もありました。
 うちの営業にも見せたときに”面白いんだけど、じゃあこの映像が原画なのか修正原画なのかはわからない”と言われて、初めて気がついたことがありました。確かに自分はこれが絵コンテ、これがレイアウト、黄色いシートが修正原画でといったような事は当たり前のこととして認識していたのですが、普通の方(?)には確かに知らない事柄だったんですね。そこで解説文を入れようということで、各素材の頭に解説文を加えることにしました。ただ今まで絵コンテは絵コンテ、レイアウトはレイアウト、修正原画は修正原画といった漠然としたイメージしかありませんので、ない知恵を絞ってはみたのですが、やはり限界はございまして、監督を始めてとして、小学館の藤森さんには、”てにをは”に至るまで文字校正をしていただきました。本当にありがとうございました。

 実際に何度も繰り返し見ているので、冷静に見ることができません。未だに直したい個所がたくさんありますが、購入していただいた方々が楽しんでいただければ幸いだと思います。そして、全てのカットが、沢山のスタッフの努力の積み重ねで作られたことを踏まえて、本編をもう一度見直していただく事こそ、メイキング映像並びにこのDVDを作った我々の冥利に尽きます。

 ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

株式会社IMAGICA
映画本部DVD製作部
オーサリンググループ
西正徳



  特別寄稿 『アリーテ姫・メイキング』のメイキング(上) 2003年01月13日(月) 

 DVD を制作されたイマジカの西さんから、特典映像メイキングのさらにそのまたメイキングの記事をご寄稿いただきました。
2回に分けて掲載いたします。

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

 最初の打ち合わせが8月末で、実際に作り上げるまでの約2ヶ月間は試行錯誤の連続でした。

 最初に取り掛かったのは”CUT367の群集パレード”でして、アニメーションされた映像をそれぞれのブロックに見せるところまでは比較的容易に行えたのですが、どうしていいのか途方にくれたのは大量な原画/動画でした。勿論、それはこちらが素材として欲しいとお願いしていたことでもあるのですが・・・。
 ダンボールで送られてきた絵コンテ、レイアウト、原画、修正原画、動画、背景を見れば見るほど、スタッフの方々による並々ならぬ、一枚一枚に対する仕事ぶりに感嘆せざるを得ませんでした。

 映画はスタッフの努力や苦労は基本的に出すものではありませんが、その一瞬のカットは実はこれぐれいの手間隙をかけたシーンだということを、特典映像で少しでも見せることができたらと思いました。

 ちょっと話がそれてしまって申し訳ありませんが、私自身、学生の時にアニメに狂っていた時、エンディングのスタッフリストを見ては、このシーンの原画アニメーターは誰とかいうところに注目していました。ちょうど熱中していた80年代は、個性をもったアニメーターの方々が台頭していた頃で、愛読していたアニメージュでよく特集が組まれていたことが思い出されます。
 そんな頃に、徳間書店から発行されたロマンアルバムの「風の谷のナウシカ」にて各シーンをアニメーター毎に解説するページがありました。私としてはとても楽しめたのですが、それを見た宮崎監督が、映画というものはアニメーターだけで作っているものではないので、このページは間違いであると仰られて、その謝罪文がアニメージュに載った事がありました。ちょっと詳細はうろ覚えで申し訳ありませんが。その時は実感が沸きませんでしたが、今回このメイキングを作らせていただくときに思い出したのはこの事でした。均等にすべてのプロセスを見せる事は難しいと思ったのですが、なるべく12カットのメイキングが全て原画だけを中心に偏らないようにしようと心がけたのは確かです。

(つづく)

株式会社IMAGICA
映画本部DVD製作部
オーサリンググループ
西正徳



  謹賀新年 2003 2003年 1月 1日(水) 

    今年もまだまだしつこく『アリーテ姫』をよろしくお願いいたします。



  そろそろ今年もおしまい 2002年12月31日(火) 

いまだにDVDを手に入れていないのが心残り。
昨日、忘年会の前に大規模小売店に寄ってみたのだけれど見けられなくて、さて飲み始めると、向こうでもこっちでも白っぽいパッケージを取り出す奴がいた。

今年は実は意外と仕事をこなしてるのだけれど、形になって人前に出るようにはなって来ない。そういう仕掛けなのである。ということにしておいていただきたい。色々仕掛けておいたことが花開くような来年でありますように。
とはいえ、一斉に咲き誇られても、身がひとつしかなくて困るのだが。



  風化させるわけには行かないので、今年もこの話題になる 2002年12月30日(月) 

宮澤さんが8ミリで作ったアニメーションは楽しかった。
お話はペルセウスのメデューサ退治にまつわるおなじみのものなのだが、ペルセウスはペルセウス座の星座のかっこうそのまんま、つまり星々の点々を線で結んだだけの作画。メデューサを目にして石に変えられた者たちは、まんまホンモノの石が置いて、撮られてあった。
なんだか流したように簡単を極めた作風でありながら、その簡略化したところに持ってゆくセンスというか、肩の力の抜け具合が「洒脱」という字をそのままアニメーションにしたようで、あれだけは真似できない。いまだに感心する。
繰り返しを盛んに使ったチャンバラの末に、さあ、これからメデューサが追い詰められて局面が変わるぞ、というところで「お楽しみはこれからなのだ」という文字タイトルが出て終わってしまうのである。
あのフィルムをもう一度見たいし、もう一度生きている宮澤さんとお目にかかりたい。



  しかし 2002年12月27日(金) 

まだまだほんとの終業式ではないので、今日も出勤している。



  終業式の日 2002年12月25日(水) 

 などと大学生相手に唾を飛ばしていたまさにその日が、会社の大掃除であった。席替えなどもあり、迷路の奥からの脱出は果たせたのだが、留守中に色んな堆積物を制作諸氏に運んでもらう迷惑をかけることになった。いずれにせよ、『アリーテ』以降溜まり貯まった荷物がありすぎて邪魔なので、これの一掃をはかることにする。『ACE COMBAT 04』の参考用プラモもまだあれば、仮編集をVHSで見るために持ち込んだ21インチのテレビデオもあるし、ちょっとずつバージョン違いのその『アリーテ』仮編ビデオも無数にある。
資料用の書籍というのも、ごつくて硬い写真集が多い。
 で、それらを車に積み込む。投棄先は自宅屋内である。
 困った。家がゴミ溜めになった。

 よく考えたら学期末に子どもが学校から、机の中やロッカーのもの一切合財を持ち帰るのと同じである。







 
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