『モチモチの木』のほかにもう一本4℃で作っている短編の編集をやっている。が、何かアクシデントが生じているようだ。聞き耳を立てる。こういうことに関しては新米の演出家と制作が青ざめて言葉を失ってしまっている。 演出も制作も、当初は若干の創作力が必要とされるとは言え、その後の作業ではそれがうまく運んでいるうちは特に必要な立場ではないと言ってしまえる。むしろ、本領を発揮しなければならないのは、リスク・マネージメントの部分だ。危機を予見すること。ダメージを食い止めること。血の気を失っていては、そこいらに転がっているかも知れない次善の策でさえ見つけられない。これからこの仕事に着こうとする人は、そうしたことを覚悟しておかなければならない。 とは言え、こうしたことは年季の問題なので、外出中のプロデューサーが帰って来るまででしゃばってダメージコントロールを肩代わりしてみることにする。事態の収拾はプロデューサーの仕事として、原因を究明することだ。照らし合わせるべきものとものを突き合わせれば答えは自ずと出る。
それから『モチモチの木』の音素材の編集に出かける。この作品のメインのミキサーは佐藤さん(『ラッシー』『この星の上に』)なのだが、サブに青木君(『まる子』)についてもらえ、今日の作業は大石君(『アリーテ』『AC4』)に担当してもらえる。百花繚乱オールスターキャストである。
|