i-mode  検索  


(2001年12月16日(日) 〜 2001年12月09日(日))

  下のつづき 2001年12月16日(日) 


 その写真を元に描いた背景。
 空想で画面を作り上げられることは重要だが、ロケハンでこんないいアングルを見つけてしまったら使わないわけにはいかない。こんなふうに、実際に見た景色が触発してシーンが形作られていったりもする。



  反響をいただいたので 2001年12月16日(日) 


 これは98年のザグレブ・アニメーション・フェスティバルの時にクロアチアの首都ザグレブの旧市街で撮った写真。
 屋根瓦の風情が実にいい。



  今日の出来事 2001年12月12日(水) 

 『モチモチの木』のダビングを終える。
 開始間際に効果音到着。徹夜で貼り付けたというその音の入ったハードディスクを接続、先週まとめた人の声、月曜日に出来上がってきた音楽といっしょに出して見る。
 空気感。原作の文章だけで読めば、のどかな藁葺の下に住んでいるかと思われた豆太とじさまが、いかに苛酷な環境で生活していたことか。それが、効果音ひとつで表現される。
 遊ぶ豆太の笑い声。友だちもなく、大木を前にひとりはしゃいでいる。その孤絶感。
 絵本の絵に、具体的に発想した音どもを乗せてゆくことで、図った以上の空間と世界が作り出される。その不思議。
 そこから細部の詰めが始まる。
「最初の音で完璧と思ったのに」と、クライアントの方。
 以後、4時間。音、完成する。



  ヘリコプターの秘密(その2) 2001年12月11日(火) 


(↓のつづき)
 その中から原画に当たる部分をピックアップしてこのように仕上げる。やはり絵描きならではの絵面の整え方があり、少し形を変えたりしているところがミソなのである。かっちりし過ぎたCGアニメーション以上に動きにふくらみをもたせようとしている。
 中割りに当たるところも3DCGからのプリントアウトがあるので、それをガイドに動画で形を作って描いてもらえる。



  ヘリコプターの秘密(その1) 2001年12月11日(火) 


 ご期待の声に応えて画像掲載。

 ボックスのヘリコプターを回転させる作画には大きな問題がある。回転の途中で形が大きく変化するので、動画マンが中割り出来ないのである。そうすると全部の絵を原画マンが描かなくてはならなくなってしまって、たいへん不合理である。

 そこで、まずラフ原画でヘリコプターの飛行の動きを作り、それをCG部にあずけて3DCGアニメーションにしてもらう。そこでいったんすべてのローターの回転の動きを作ってしまうのである。
 それを紙にプリントアウトする。



  なんだかなあ 2001年12月10日(月) 

 パリでの原画展が開けない。
 展示素材を送るのに、途中での紛失に対する保険金を送り手と受け手のどちらが負担するかで、結論が出ず、結局時間切れになってしまった。つまらない。
 最小限のものを自分の荷物に入れてもってゆくことにする。
 フランスのマスコミの取材とかもあるらしいから、見せびらかさなくっちゃ。



  大掃除で元祖アリーテに出会う 2001年12月09日(日) 

 ここ二日ばかりの画像のネタは、自宅の大掃除の成果である。
 廊下を占拠していた原画の山を片付けて段ボールにつめこんだら、正確に9箱になった。その下からもう一箱、どこかへなくしてしまったかと思っていた本の山の入った大ぶりの段ボールを見つけた。本のほとんどは、超音速戦闘機、軍装、第二次大戦の写真、ドアノーやキャパの写真集で、これは『AC04』の資料として使ったものだ。箱の中には『アリーテ』の時の資料も少しまじっている。中世フランスの時祷書のムック本。それにN・C・ワイエスの画集。
 日本でも愛好者の多いアンドリュー・ワイエスの父は挿絵画家だった。宝島、ロビンソン・クルーソー、トム・ソーヤ、ハイジ……。『Robin Meets Maid Marion』という絵が載っている。このマリアンは我々のアリーテと同じ髪型をし、同じ冠をつけている。この絵こそ、森川さんのキャラクターデザインのソースなのだ。
 『大砲の街』の制作中、大友さんや小原さんたちと夕食を食べに出かけた街角に、露店のように売られていた洋書の一冊だ。なくしてなんかいなかったのがうれしい。



  下と同じカット 2001年12月09日(日) 


これだけの注意書きが書き込まれた原画をもらった動画の人も面食らっただろう。
なかなかエレガントには運ばないのであるが、演出の要求があったばかりに申し訳ない。
この「踊る人形」はとにかく一筋縄ではいかなかった。



  踊る人形の秘密 2001年12月09日(日) 


こっちは作画上のことでなんだかたいへんなことになってしまった例。
作画監督の尾崎君の丹念な指示。



  しかし 2001年12月09日(日) 


スキャナーから取り込む都合上、動画では「黒・赤・青」の三色しか使えない。
そこで、原画の色線を「黒・赤・青」のどの色で清書すればいいか、動画監督の梶谷さんが整理することになる。デジタルゆえにかえってたいへんになってしまったことの一例。
鎖帷子のチラチラするハイライトや、水晶玉のキラキラは動画の方におまかせにした部分も多い。その指示も入っている。







 
Cool Note Pro v4.6