プロデューサーの栄子さんから、「そういえば『アリーテ姫』の『公式サイト』って、年内いっぱいって契約になってた」と、突然降って沸いたように言われたのは、ほんのついこのあいだのことだ。
『アリーテ姫』というのは、どこにでもそこにでもあるという作り方をしていない。たくさんの方々の意気込みを結集して捏ね上げて出来たようなフィルムなのである。反面、この作品にはほんとうに宣伝予算というものがない。新聞で何気なく見るような上映広告だって、自分も全然知らなかったが、あれだけでもけっこうなお金が必要なのだそうだ。我々の場合そうとう腹をくくって思い切らなければ広告ひとつ打てない。そんなお金、全部直接製作費に使ってしまった。宣伝も映画のうちだったか、と今更言っても遅いし、悔やむ気持ちも別にない。まさしく「Standing out from the norms of mainstream"comamercial" Japanese prodaction.」はひとつの精神なのである。 けれど、ここで「公式サイト」まで失ってしまったら上映情報を公開する手段が無くなってしまって、さすがにちょっと困ってしまう。
ところが世の中拾う神もある。自分でも良く分からないうちに、あっというまにここにこうして、カントク個人営業の新サイトが立ち上がってしまった。 サーバーを提供して下さったのは九州のF4Uさん。企画から管理運営のあらゆる面では北海道の小笠原さんが力を振るわれる。そうしたご尽力は、何かに対するボランティアというよりも、『アリーテ姫』のこの状況をテーマに面白いサイトを作りたいという心からのことなのだと理解している。その証拠に、年明けからはご自慢の新企画をはじめようと小笠原さんが手ぐすねひく様子がすでに伝わって来ている。皆さん、楽しみにしましょう。 |