今度は秒数も丁度におさまる。 すると急に眠気がさしてきて、ついうたた寝してしまう。起きると娘を保育園に迎えに行くため会社を出る時刻が近い。ふと、気に入らないところを見つける。どうする、直すか? 直すにしても現状のバージョンもコピーに取っておくべきか。 コンテ原稿をもってコピー機に行く。4℃では昔ながらの薄くざらざらした絵コンテ用紙を使っている。実はこの紙は、その昔絵コンテを青刷りコピーしていた頃のその青刷り原紙なのである。いまだにこの紙をコンテ用紙に使っているスタジオは意外と多い。この表面のざらつきが鉛筆の芯の「粉」を良く掴まえて描きよいし、少なくとも小さい筆圧で描けるので腱鞘炎には良い。その上、紙質が薄いので下に敷いた紙に描いたものが透けて見え、下書きを清書するのにトレス台を必要とせず演出家には便利だ。が、弱点もある。紙が薄いのでコピーをオートで使うと原稿詰まりを起こしやすいのである。 ということで、退社間際にCMの絵コンテはコピー機の中でくちゃくちゃになってしまった。……まあいいさ。もう一日スケジュールに余裕はあるし。 ……。 |