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(2002年09月03日(火) 〜 2002年07月02日(火))

  余勢を駆る 2002年09月03日(火) 

恵比寿でお話したついでに。
これはCut7Aのタイムシート。
さかんにOLを繰り返しているが、これは金色のものがピカピカしているのでもなんでもなく、実は陶工のろくろなのである。
光の向きに応じて塗り分けのある多面体を回転させるとこうなってしまう。



  証拠 2002年08月17日(土) 

ほら。
ね、ホントでしょ?

これに、さらに
「フィルム上映できます」の案内も
刷り込んでもらいます。



  夏休みの到来 2002年07月22日(月) 

 といっても自分が夏休みになるのではない。週一で教えに通う学校が今日を限りに夏休みに突入するのである。
 今日はペトロフ『老人と海』とフレデリック・バック『木を植えた男』を見る。『老人と海』は一昨日テレビでやっただろうって? 見逃してしまった諸君が多いに違いないと心得たうえでのことだ。案の定・・・・。
 『木を植えた男』はアニメーションの作り手の矜持の映画である。
 たったひとりで森を作り上げた男本人のところに来た役人が、「こんな見事な自然林は見たことがない」という。これが普通の人がアニメーションを見るときの態度であったとしても不思議はない。作品は厳然とそこに存在しているのだから。
 けれど、生徒諸君、君たちはこの森はたゆまぬ人の手の作業が作り出したものであることに気づかなくてはならない。君たちもやがてはその海へ漕ぎ出してゆくのだから。『老人と海』の、『木を植えた男』の筆跡の一筆一筆こそが人の手が種を植えた証拠であり、そこから芽生えた森はこんなにも人々に幸福の木陰を提供しているではないか。それこそ君たちが選ぼうとしている道なのだ。
 そのことをわかって欲しかったのだけど。
 幸運を祈る。



  また娘の話 2002年07月21日(日) 

 今日は末娘と一緒に『大魔神』を見る。色々に質問を挟んだり、途中で飽きたりしつつ見ているのだが、ふと思うと自分も最初にこの映画を観たときこいつと同じ年だった。やがては『アリーテ姫』にまでつながってゆく自分の映像原体験もこのくらいの年齢で築かれたものなのだ、と思うと、このちょこまかしているチビスケを見る目が少し変わってしまう。
 なんだかうかうかしてられないのである。



  思えば遠くへ来たもんだ 2002年07月20日(土) 

 朝起きると暑い。
 5歳の娘をさそってプールへゆく。入場無料の市営だが、小学生以下の付き添いでないと入れないのだ。行くと腹の出たお父さん族ばかりいる。夏休み初日なのである。
 夕方からは、娘の保育園の夕涼み会というか夏祭りだかがある。これに行かねばならない。別に行かなくてもいいのだろうが、末娘も今年で保育園を卒園だし、長男のときから十数年にわたる保育園なるものとの付き合いもこれでおしまいなのである。ああ、長かった。



  ディテール 2002年07月16日(火) 

 5歳の娘と、その昔のお城や民家の透視図の絵本を見て楽しむ。間取りを俯瞰できるのは楽しいし、階段や通路をたどれるのも楽しい。そして、細部にこれでもかと描かれた生活の細部を一番楽しんでいる。
 こういうことが、自分の仕事の土台の一部であるような気がする。



  20年ぶりに母校に近づく 2002年07月06日(土) 

 恩師池田宏さんにおさそいいただいて、母校池田クラスの卒業生・在学生入り乱れた懇親会に混ぜてもらう。会場は母校近くの居酒屋。今まで知らなかったが、ずっとそんな飲み会をやっていたらしい。池田先生というべきなのには違いないのだが、僕らの期は生意気にも「池田さん」「月岡さん」で通してしまったので、なんだか今更先生呼ばわりも親しみがないような気がしてしまう。池田さんといえば、東映動画で高畑さんや黒田昌郎さんの同期生、代表作は『どうぶつ宝島』『空飛ぶゆうれい船』という演出の道の大先輩でもある。むしろ、そっちの意味合い強く「池田さん」なのである。
 自分より先輩の出席者の方で、映画学科を出たのち心理学の道へ進み医博になっておられる方がある。心理学の方からアニメーションをながめておられるのだそうだ。
「よくまあ、『アリーテ姫』って、あんなにまあ心理学的な映画を」
「そう思われますか?」
 お話をうかがう。
「片渕さんも30代後半にかかりかけて『アリーテ姫』を作ったんでしたよね」
「はい」
「人間30代後半で一度クライシス、危機に差し掛かるんです」
「え?」
「心理学の方ではそうなっています」
 それこそ、映画を作ってるあいだにこちらが言い続けていたことだけに、やっぱりそうだったのか、の感。にしても、
「映画を作って中年の危機を脱したということですね。興味深い」
 あるいは、
「アニメーションの演出家にはどうやったらなれるんでしょう?」
 という在学生。
 色々に喋る。
 挙句、池田さんから、
「そんなことばっかりいってる奴は早死にするぞ」
 それでも色々に喋り、話したりないからまた顔を出せといわれる。
 



  釈放 2002年07月05日(金) 

 糞詰まりのひと仕事をようやく終わらせる。
 5月いっぱいの約束で上げたコンテが、そこからコンセプト自体が揺れ動き、こちらに責任のないリテークが相次いでいたのだ。
「コンセプトを明確にしてから再発注して欲しい」と訴えたら、そのとおりにはなったものの、どこか実体を離れた枠組みとなり、さかんに頭を悩ませていたのだが、昨日とうとうこれでは埒がアカンと、
「元のコンセプトに戻らせて欲しい」と電話して訴え出たら、あっけなくOKになったというもの。この間の消耗は、いったいなんのためだったのだろう。
 とにかく、少し自由の身になった気分。



  進捗 2002年07月03日(水) 

 で、パイロットの方、今日もまた少し進む。
 ほかに二つも抱えた仕事が前の奴から渋滞してしまっているために、即座に現実に反映させてゆくことがむむずかしくはあるがが、それでも動きがあることは心理的にとてもよい。
 にも関わらず、さらに別な傾向のものを作りたくなってしまっている。気が多くなっている、というよりは、どこかにある鬱がその呼び水になっている。どうも、やはり渋滞してしまっている第一の仕事のためのような気がする。



  某仕事の打ち合わせに行く 2002年07月02日(火) 

 期待通りとても密な感じで進む。必要とあらば宿を借りてカンヅメ合宿もやろう、といっていた作業がものの一日で終わリ、ストーリーの骨格が一個丸々出来上がる。
 とはいえ、完全に断っているはずの煙草もこういうときには動員してしまっている。咽がいがらっぽい。
 実は、カンヅメもちょっとやってみたかったので、少し残念ではある。けれど、それをすら許すほど余裕のある7月ではないのである。自作のパイロットに着手しなければならないからである。制作の吉田君にも打ち合わせに同席してもらっている。スケジュールの調整をとるべく、吉田君の頭が小刻みにくるくる回っているのが、となりにいてよく分かる。

 もうひとつ並行している仕事もこんな具合に進めばいいのだが、こちらは何故これほどまでに、と叫びたくなるぐらい停滞してしまっている。色々あってしまう。







 
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