自分にできる何かを探し求めるヒロインを描いた『アリーテ姫』。2001/7/21(土)の公開に先立ち、7/17(火)、東京・有楽町朝日ホールにて完成披露チャリティ試写会&舞台挨拶が行なわれました。

 開場と同時に、首を長くして待ち望んだみなさんが、足早に入場。小さなお子様を連れたお母さんの姿も多く、にぎやかな試写会となりました。“アリーテ製作委員会”は、アリーテ姫のように、すべての子どもたちに自分の力や可能性を見つけてほしいとの願いから、チャリティという形で協力を決定。ロビーには、非営利団体「国境なき医師団」(難民やストリートチルドレンにむけて世界中で救済を行なっている団体)への募金箱を設け、来場されたみなさんの協力を呼びかけていました。

 舞台挨拶が始まると、片渕監督、アリーテ姫の声を担当した声優の桑島法子さんが登場。「アリーテ姫はお姫様だけど特別ではなく、まわりが見る自分と、自分自身とのギャップに悩む普通の女の子」と分析する桑島さんは、「人間の多面性を声で演じわけるのが難しかった」とコメント。原作との出逢いについて訊ねられた監督は「以前、ちょっと落ち込んだ時期があり、自分の意志をもった人を主人公にした映画を見たかった。フルデジタルで制作していますが、人間の手作りにこだわりました」と、制作秘話を披露しました。

 「去年10月に映画は完成していましたが、観客のみなさんに届いてはじめて完成だと思います。それぞれが映画を持ちかえってもらえれば、僕等の肩の荷もおります」という監督のメッセージが伝わったのか、舞台と客席が一体となり作品への想いを募らせる、そんな舞台挨拶となりました。



開場前に並ぶ方々 柄本明ご家族も来場 賑う場内の様子 チャリティー募金スペース


桑島法子さんと片渕須直監督



木村和久さん (トレンドウォッチャー/コラムニスト)
展開が一辺倒じゃないので先が読めないし、 設定も変化があってテンポがよく楽しめました。 絵柄は派手じゃないんですけどね。 作り方や背景などの描写の細かさは宮崎駿監督っぽいですね。閉じ込められたお姫様というモチーフも「カリオストロの城」 なんかとダブるけど、タッチはかなり違います。 アリーテ姫も「カリオストロの城」のクラリスじゃなく、「アルプスの少女ハイジ」クラスだし。 あえて初期の宮崎アニメの雰囲気を出してるんですね。 宮崎さんの初期のイメージやタッチの影響を受けながらも、違うイメージを作りだしているところが興味深かったです。 キャラクターでひっぱるよりは、設定や背景に惹かれる映画ですね。

松尾紀子さん(CXアナウンサー)
フルデジタルの映像と音楽の美しさが心に染み込みました。 アリーテ姫の「本当の自分を発見する」旅は、日々の生活の中で、ゆっくりと自分と向き合うことが難しい私達皆にこそ必要なものだと思いました。 仕事と育児でバタバタした毎日ですが、私も自分と語り合う時間を持って、本当の自分に出会いたいと思いました。


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