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[火をつける](2002年12月20日(金))
 BBSでアニメーションが表現する「日常」の話に触れられているが、『アリーテ姫』がそうしたテーマを持つ作品群と並べ置かれる場合もあるのは、生活感のディテールの描写のせいかも知れない。
 衣食住・・・・とくれば、実は重要なのは「火」である。
 アリーテはどうやら火打石を持ち歩いているようなのに気づかれただたろうか。これはちゃんと原作に由来している。といっても日本語版を探しても駄目。原語版にはちゃんと、常にポケットの中にロウソクとマッチを入れている、とあるのだ。マッチ、なのである。このことからもわかるように、原作はリアルな世界観を求めた児童文学ではない。モンティーパイソンみたいなコントなのである。とはいえ、そのロウソクはちゃんと原作(原語版)でも「本を読むため」の目的を持っている。
 さすがにマッチはまずかろう、と火打石にしたのだが、かといって火打石からカンテラの灯心に直に点火するのもあり得そうな話ではない。作画的な手間などからそういう表現になってしまっているのだが、そこはしめたもの。効果音の方で気を利かして、火打石の「カチ! カチ!」のあとに「ショボワッ!」と火縄に点火したような音をつけてくれていたのだ。
 ということで、点火順序は「火打石」→「火縄」→「灯心」ということなのだということでご理解いただけると、こちらとしても安堵できるというものである。


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