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[特別寄稿 『アリーテ姫・メイキング』のメ](2003年01月14日(火))
”CUT367”のメイキング映像を見ていただければお分かりの通り、キャラクターや花びらは複数のブロックに分けて作画されておりますので、まずはカットではその数ブロックの原画、修正原画を中心に紹介しようと考えました。
 修正原画は、修正された一部しか黄色い用紙に描いておりませんので、それだけを見せても、所謂、作画監督がどのように修正したのかがわかりません。その為、最初に原画を全てデータ化した後に、その上に修正原画をデータ化し、Photoshopというソフトウェアを使い、重なっている部分を消していく作業をはじめました。実はこれが以外に時間がかかりまして、確か2週間位このカットをやっていたような気がいたします。とりあえずなんとか”CUT367”を仕上げて、監督に見ていただきました。

 メイキング映像として見ている人に飽きさせないものを作ろうと思っていましたが、アニメファンである自分が見たいものを作っていたのも確かです。前述しました通り、ちょっと一般の方々より見方が偏っておりますので、「アリーテ姫」に感動した方がこのメイキング映像を見たら、怒り出したりしないだろうかとか、何度か立ち止まった事もありました。
 うちの営業にも見せたときに”面白いんだけど、じゃあこの映像が原画なのか修正原画なのかはわからない”と言われて、初めて気がついたことがありました。確かに自分はこれが絵コンテ、これがレイアウト、黄色いシートが修正原画でといったような事は当たり前のこととして認識していたのですが、普通の方(?)には確かに知らない事柄だったんですね。そこで解説文を入れようということで、各素材の頭に解説文を加えることにしました。ただ今まで絵コンテは絵コンテ、レイアウトはレイアウト、修正原画は修正原画といった漠然としたイメージしかありませんので、ない知恵を絞ってはみたのですが、やはり限界はございまして、監督を始めてとして、小学館の藤森さんには、”てにをは”に至るまで文字校正をしていただきました。本当にありがとうございました。

 実際に何度も繰り返し見ているので、冷静に見ることができません。未だに直したい個所がたくさんありますが、購入していただいた方々が楽しんでいただければ幸いだと思います。そして、全てのカットが、沢山のスタッフの努力の積み重ねで作られたことを踏まえて、本編をもう一度見直していただく事こそ、メイキング映像並びにこのDVDを作った我々の冥利に尽きます。

 ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

株式会社IMAGICA
映画本部DVD製作部
オーサリンググループ
西正徳


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