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[またもや、秒数の計算](2003年04月02日(水))
 テレビシリーズ1本1200秒のカット数は、190〜270。最大390カット。というのが、自分に染み付いたペース。1カットの平均秒数は、3秒から6秒まで差があり、それなりに作り方が違う。『アリーテ姫』はエンディングを除いて計算すれば1カット平均6.5秒。
 たしか去年の今ごろもやっていたのだが、今、ちょっとCMの仕事を手掛けている。どんどんコンテを描いていって、15秒スポットに13カット+ロゴ2枚、その他商品のカットふたつを放り込む。1カットが1秒以下の世界である。
 しかし、人間なんとでもなるというものだ。条件さえ最初にちゃんと定まっているのなら、何であれ出来ないことはない。与えられた枠にはまるようにする帳尻合わせの計算が、演出家の仕事の中では意外に大きな部分を占めていたりするものなので。枠がきちんとしていないと、かえって逆上してしまったりもする。「出来てみたら、いつのまにか105分あった」という『アリーテ』は、ある意味逆上の結果なのかもしれない。その辺、プロデューサーもよくわかってきていて、次にやるとしたら、何か尺の枷のある仕事にしたいと目論まれていたりもする。
 ところで、どうも、テレビの放映基準では、CM冒頭に無音の部分10フレーム取らなければならない、と定められているらしい。韓国や台湾のCMにはない、日本ならではの決まりごとなのだそうだ。これが近々改訂になるそうで、冒頭の無音を15フレームにしなければならない。
 そんなこと全然考えずに編集してしまった今回のCMなのだけれど、ここを2フレ、あそこを4フレ、と小刻みに切落して編集した結果であるこの今の15秒から半秒分さらにカットしなければならない。と、今日初めて聞かされた。
 なんてことだ、と、焦る気持ちはあまりない。まあ、なんとでもなるさ、と、誰よりも鷹揚に構えてみせてしまうのである。
 実際、たぶん何とかなるだろう。ここまで出来上がってるのだもの。
 明日はそれをやる。


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