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[別れの日](2001年08月18日(土))
10時20分の飛行機に乗るため、朝8時にキム教授(フィルムフェスティバルの運営責任者)がホテルまで迎えに来て下さる。11時20分の飛行機の古川タクさんもいっしょにインチョン空港に向かう。
空港ではチョンさんが待っている。ラーさんは昨夜のスタッフの打ち上げで4時まで飲んでいたとかで寝坊して間に合わない。残念である。
チェックインカウンターの前にに並ぶが、日本へ帰る観光客でごったがえし、なかなか列は進まない。業を煮やしたチョンさんが列を飛び越えてカウンターに掛け合ってくれる。すると、なんともう僕が乗るべき便のチェックインは終了しているという。
古川タクさんが慰めてもらう。しかし、そのタクさんの手にした航空券には11時20分ではなく9時20分と書いてあるではないか。旅行会社が間違えていたのである。ふたりとも乗るべき飛行機がなくなってしまった。
キム教授がカウンターに掛け合い、チョンさんが遠く離れた別の航空会社のカウンターまで全力疾走してくれる。その勇姿を忘れることは決してないだろう。
かろうじて13時5分の便に二席確保してもらい、安堵したところにラーさんが到着する。
「なんでまだここにいるんですか?」
ラーさんにはひとつしてもらわなければならないことがあった。ラーさんは、映画祭の観客たちやスタッフたちから、物珍しい外国からの客である僕たちがサインを求められてあたふたしていたとき(滞在中どれほど多くのアリーテの顔を走り描きしたことだろう)、「いいな。僕も今にサインする側になりたいな」と言っていたのだ。僕はラーさんにサインをねだりたかったのだ。
空港でラーさんとチョンさんからもらったふたりのサインはかけがえのないたからものである。
今もすぐ横にふたりがいて、ときどき彼ら同士で韓国語で話していたその声が聞こえるような気がする。いつかまた必ず彼らとの再会を果たすのだ。
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