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[最近更新しないという声に我にかえる](2001年09月08日(土))
 今夜は親しい友人たちと席を共にした。そこでこのコラムへの書き込みが滞っているがどうしたのか、と訊ねられた。そんな大袈裟にいわなくったってほんの2、3日お休みしただけじゃにか、と思いつつここをのぞいて驚いた。2週間近くも休んでしまっていた。最近、時間の流れがまったく体に染み着いてこないのである。
 とにかく次回作を作ろうということで考え込んでいる。そういうことを考えるには尋常ならない集中力がいる。一度にいくつものことを考えられる人もいるのだろうが、自分の脳味噌はそんなに器用な構造には出来ていないらしく、ほかのものはシャットアウトしなければ二進も三進も行かなくなる。

 実は、『アリーテ』の末期にもあった。『アリーテ』終了後にやればいいからと、プロデューサーが準備してくれていた仕事があったのだが、その『アリーテ』がとんでもなく長引いてしまった。しかも、用意されていた仕事というのが脚本を書くことだったのである。致し方なく、2週間と時間を区切って、監督は『アリーテ』の全作業から距離をおいてシナリオに勤しむ、ということになってしまった。当時は同じビルの中の5階と7階にスタジオ4℃のフロアがあり、『アリーテ』班は5階にあったのだが、わざわざ7階にもうひとつ机を用意してもらい、誰も近づけないように棚で囲み、そこに籠った。籠った後は天岩戸のようにスチール棚をずらして閉ざすので完全な閉鎖空間となる。そこで2週間の予定が、実際には3週間かかってしまった。
 にもかかわらず、バリケードを突破して入って来たのは仕上げの林さんである。聞いておかなきゃ先に進めない仕事がある、と言われれば、ごもっともと言うしかない。本来進行中の作品を放り出すわけにはいかないのが当たり前。
 そこまでやって書いたあのシナリオは今どこをさまよっているのだろうか。時々風の便りに聞くほかは、とんと行方を知らない。
 


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