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[画と音のシンクロ](2001年10月24日(水))
 ダビングとは作業の最終段階。台詞の声、効果音、音楽はそれぞれ別々に録音されている。それを、すべてつつがなく完成した映像に合わせてミキシングするのである。映像が「完成している」というのがミソである。この段階で音の入るタイミングが決まってしまうので、映像の尺や、その中で行われている出来事のタイミングが出ていなくてはならないのである。
 というのは建前で、実際にはだ映像は完成していなかった。いくつかの作画リテークが終わっていなかったのである。エンディングに至っては影も形も無かった。
 これより前の作業では、ビデオに落とした映像に乗せて音作りをして来た。最近はデジタルなので、タイムコードの入ったビデオだと連動が楽なのである。ただ、わずかな誤差の可能性がある。フィルムからビデオに落とすときに生じる機械の回転スピードの誤差である。
 だからダビングの時は、ベースにする映像に35ミリのフィルムそのものを使う。
 そこまで厳密に映像と音声のタイミング合わせをする。欠けている絵については、すべてタイミングを「覚えていって」現場に臨む。これ以降、例えばどう気に食わなかろうと歩きのタイミングひとつ変えるわけには行かない。ダビングで決定してしまった音のタイミングは絶対なのである。
 で、ありながらもっと後に「歩き」のカットで丸々の作画直しを出してしまうことになろうとは。


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