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[菊千代の出自](2001年11月07日(水))
黒澤明監督が『七人の侍』の準備作業で書き残したノートの一部を出版物で見る。
当初三船敏郎が演じるはずだった「久蔵」から、最終的に演じた「菊千代」のキャラクターが派生してくる過程が良く判って興味深い。完成画面上では対極的なところに位置するこの二人は、元は根源的なカオスのなかでは一個のものであったのだ。
その混沌とした原型は後年まで生き残り、別の場所で別の形をとって噴出している。だがそれでもまだ解消されないものが残ったらしい。作り手の内部には何かが巣くい続けるのだ。
振り返って我がことを考えると、アリーテ姫で泣く泣くカットした3人目の求婚の騎士がささやかなれどどこかに生き残っていたりもする。
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