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[高みに立つ  冷ややかな光](2001年12月03日(月))
 昨日の日中は、娘ふたりを連れて新宿の高層ビルに登った。
 ここから眺める西の方角には、限りなく無数の家々と街並みが彼方まで続いている。そのひとつひとつの屋根の下に住まう人々のすべてに感情移入するほどの想像力を自分はもたない。むしろ、ちっぽけな個人の共感のあり様など超えて広がる人間の営みに圧倒されるばかりだ。
 ここへ登るたびにそれを感じている。『アリーテ姫』でもその心は描いた。

 今日は『モチモチの木』の佳境、「モチモチの木に灯がともっている」のカットの画面を作る。滝平画伯の筆致を活かすという趣旨の作品の中で、この場面だけは自分の持ち物を出してみる。象徴的な切絵劇の中で、それが幻想であるだけに、ここだけはリアルな空気感を表してみたい。
 そのイメージを言葉で伝えると、今回のCGI(コンピューター・ジェネレーテッド・イメージ)の担当塩竈君は「ゾクゾクしますねえ」と応えてくれる。勘所のいい人と仕事をするのは快楽である。ゾクゾクするような画面が出来る。


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