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[『アリーテ姫』今昔物語(1)](2002年01月14日(月))
 『アリーテ姫』はもともとスタジオ4℃から発した企画ではなかった。
 すでに別の会社で、原作どおりの『アリーテ姫の冒険』の題名のもとシナリオが出来、キャラクターも作られていた。すでに中核になるスタッフが整えられつつあったのである。
 それがどうしておジャンになってしまったのか、聞いたのかも知れないがもう忘れてしまった。あるいはまるで聞かなかったのかも知れないが、その辺は定かでなく、なんにしても今さら詮索するようなことではない。いずれにしても、別のスタッフでやり直そうと言うことになったらしい。そのスタジオはどちらかというと制作に関しては経験の浅いところだったので、誰か経験値をもっているプロデューサーをきちんと立てようということになった(らしい)。

 この原作は、読めば分かるとおり「フェミニズム」の土壌で書かれている。その当時のアニメーション化に当たっても、それが骨格であることに変わりはなかった。ならば、スタッフをみんな女性だけでそろえて作ればそれなりに意味のある仕事になるのではないか。そして、当然プロデューサーも女性に。
 そこでスタジオ4℃に電話がかけられた(らしい)。
 誤算がひとつあった。
 4℃を取り仕切る田中栄子プロデューサーは、自分のことを「女」だと思ってはいなかったのである(本人談)。


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