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[帰還](2002年03月10日(日))
 飛騨高山は背後の北アルプスの白銀の峰々が美しく、夕刻にはアルムの山のバラ色に輝いていた。
 会場となった飛騨センターの館長は俳優の渡辺文雄さんである。渡辺さんのマネージメントをする会社の山口社長も毎日顔を出しておられたが、この方は大島渚監督のプロデューサーだった人である。催しの裏で渡辺さんとお二人で語られるATG時代の思い出話などお話などとてもおもしろく、貴重な映画史のページを窺うことが出来た。
 舞台に上がってトークで『アリーテ姫』を金も無く作り始めた話をしたら、「かっての独立プロみたいなことやってる連中がまだいたよ」と喜んで下さった。僕らのは、一銭も金を持たず度胸だけでロケ地に乗り込んだという大島組に比べれば児戯のようなものだが、そう言っていただけただけで活動屋の仲間たちの端くれに加えていただけたようで、比べるのもおこがましいとは知りつつ、たいへんな幸せを感じる。
 9日に高山で上映されたのは、『セロ弾きのゴーシュ』『アリーテ姫』『ユンカース・カム・ヒア』。どれも「独立プロ」の誇り高き仕事ばかりである。と思う。


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