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[鶏頭の如く](2002年04月19日(金))
 厚みが2センチ超となったノートだが、最初の1センチ少しは今読んでもさっぱり意味がわからない。走り書きなので文字の判別が自分でも困難なのはともかく、何か気合を入れようと思って書いたらしい屁理屈が書き並べてあったり、だいたいにおいて、今主人公を張っている人物がはじめの頃には脇役で、しかも性別が違っていたりするのだ。
 逆に、とっくに頭から抜けてしまったノートの始めの方を今の時点で読み返してみると、結構示唆に富んでいることもあったりするものだ、と期待してみたりする。と思ったら、なんだか同じことが数ページおきに書いてあったりする。その都度新しい考えが浮かんだと思ってメモったようだ。結局、原稿にまとめるというのは、堂々巡りを固定してしまうための作業であるともいえる。

 忘れていたはずの少年の日々の心に火を点し直し、その思い出に別れを告げて真の大人への道を歩みだす、という「IT」の主人公たちの年齢が38歳だというのは面白い。執筆時の作者も同じ年齢だったらしい。千住さんの「人間37歳で道が分かれる説」がまたしても補強されたかのようだ。


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