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[日々の光](2002年04月17日(水))
スティーヴン・キングを読んでるなんて意外、といわれてしまったけど(別に根に持ってるわけではありません(笑))、キングの小説の背景として大きな位置を占めている日常生活描写は、それ自体を主役にしても良いほどに美しい。「デッド・ゾーン」などという本の、実は自分の息子や孫であり得たかも知れない男の子を前に父親ごっこ、お祖父さんごっこをするやさしいシーンにうならされ、それを話の種にしてこちらの意図を説明しつつ、シナリオ・ライターと打合わせをしたこともある。
「生活描写」が「アブノーマルな世界」を補完しているのがキングだとすると、「非日常」でもって「日常」の意味を高めたいと思うのがこちらなのだろうか。しかし、この両者はどれほど区別されるべきなのだろうか。
ということで、高村薫も愛読している。ファンタジーの世界に飛び立ちかねない「李歐」をこの世に着地させているのは、生々しい生活感にほかならない。あるいは「照柿」を読まずしては「アリーテ姫」は生れなかったかも知れない。
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