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[非文化的体験](2002年04月22日(月))
「ガッコウ」へ行くことの楽しみに、その近所の古本屋へ寄ることがあった。
 最近流行の郊外型大型古書店とは違い、しかし本格的な在来型なれど三階建でなかなかの蔵書数を誇っていたのである。過去形で語るのは、この春に行ってみたらもぬけの殻になっていたからだ。廃業したのか移転したのか。そうなる前にひとこと教えて欲しかった。というほどの馴染ではもちろんないのだけれど、でも教えてもらっていたら、ひと財産散在していたかも知れないというのに。

 用事で電車数駅を移動する。時間の合間に本屋に入ろうとしたら、これも消えてなくなって大型薬局になっていた。ますます都会化する吉祥寺で昼飯のために行きつける食い物屋がどんどん減ってゆくのと同じくらい、気軽に立ち寄れる本屋も少なくなってしまった気がする。出版に関係のある人から、とにかく紙の本が売れない、という話を盛んに聞かされてはいたが、なんだか得体の知れぬものが足元まで迫って来たような気がしてしまう。


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