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[道楽者](2002年04月21日(日))
 合間を見ては道楽で妙なことをやっている。
「日本でもっとも多く生産された飛行機」というのがあるのだが、これが実際には何機作られていたのだろうかと考えるのである。この機種は記録保持者のくせに、総生産機数が本によってまちまちなのである。
 4ヶ所に分散して行われていたファイナル・アッセンブリーのうちで、ちょっと様子の知れない分工場があって気にかかっていた。
 先日、茨城県に残るその跡地付近を訪れてみた。中世の土居のように堀と土手に囲まれた四角い敷地はそのままに、今はまったく別の会社が入っている。かつてここで何機の組み立てが行われたのだろう。それが今ひとつわからない。情報が断片的なのだ。

 昨日は、所蔵のマイクロフィルムの一部が近々別の場所に移されて閲覧できなくなってしまうというので、国会図書館におもむいた。
 商売柄、といおうか、マイクロの中から本工場の始業時間や、昼休みが何分、午後の3時休みが10分、月に何日休み……と、背景の世界観みたいなものについての知識を拾い集めてしまう。まあ、こんなところか、と思っていたら、何気なくその最後に月別生産機数の表がついていた。しかも、なんと、茨城の分工場の分も完全な形で載っているではないか。場所柄もわきまえず声をあげて喜んでしまう。
 人間、そんな数表ひとつで幸福感を味わえてしまうのが面白い。


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