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[夏休みの到来](2002年07月22日(月))
 といっても自分が夏休みになるのではない。週一で教えに通う学校が今日を限りに夏休みに突入するのである。
 今日はペトロフ『老人と海』とフレデリック・バック『木を植えた男』を見る。『老人と海』は一昨日テレビでやっただろうって? 見逃してしまった諸君が多いに違いないと心得たうえでのことだ。案の定・・・・。
 『木を植えた男』はアニメーションの作り手の矜持の映画である。
 たったひとりで森を作り上げた男本人のところに来た役人が、「こんな見事な自然林は見たことがない」という。これが普通の人がアニメーションを見るときの態度であったとしても不思議はない。作品は厳然とそこに存在しているのだから。
 けれど、生徒諸君、君たちはこの森はたゆまぬ人の手の作業が作り出したものであることに気づかなくてはならない。君たちもやがてはその海へ漕ぎ出してゆくのだから。『老人と海』の、『木を植えた男』の筆跡の一筆一筆こそが人の手が種を植えた証拠であり、そこから芽生えた森はこんなにも人々に幸福の木陰を提供しているではないか。それこそ君たちが選ぼうとしている道なのだ。
 そのことをわかって欲しかったのだけど。
 幸運を祈る。


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